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なぜ暴動が起こらないのか

Category: 日本国民の心得  

なぜ暴動が起こらないのか


東日本大震災から3カ月半が過ぎたが、被災地で暴動も略奪も起こらなかったことについて、いまだに海外からは称賛の声が聞かれる。日本の多くのメディアや識者も、このことに言及していたが、なぜ暴動も略奪もなく、多くの被災者が穏やかに、時に感謝の言葉さえ述べるのかについては納得できる説明がなかった。「日本人だから、としかいいようがない」というのもあった。

 このレベルの災害があれば、日本以外のほとんどの国で略奪が起き、流血の暴動が起こるのは必至だというのだ。そして被災者は泣き叫び、援助のないことを訴え続ける。

 だが、日本人はそうではない。これにはふたつの大きな理由があると思う。そのひとつは、待てば必ず何とかなるという安心感である。電車でもきちんと並んで待っていれば必ず乗れる。秩序よくすれば、裏切られることはない、という安心感はどこからくるのか。それは、政府は被災者を見殺しにはせず、必ず救援の手を差し伸べるという信頼感である。この信頼感は、近世以降の幕府、藩、政府が基本的には搾取ではなく、人民の救済に力を入れてきたことに由来する。

 明治以降の歴史教科書は江戸幕府を悪者にするために、江戸時代をことさら暗黒的に強調したが、近年の研究では、幕藩体制は農民に過酷ではなかったことを示している。


 そしてもうひとつは、天皇の存在である。最高権力者のさらに上の存在が、権力者がどうであれ、最終的には一般庶民の身の上を案じてくれているという感覚が、信頼感を生んでいるのだ。庶民をないがしろにする為政者は、天皇が許すはずがないという、歴史的潜在的な信頼感こそが、秩序正しくしていれば、何とかしてくれるという信頼感に結びつくのである。

 ヨーロッパや中国、韓国のかつての多くの王侯貴族は、搾取と弾圧をもって権力の基盤とし、権力の維持のためには、庶民を犠牲にすることは常識であった。

 だが、それを許さなかった土壌が、唯一、日本には存在したのである。

 それを直感したのは、大震災直後の天皇陛下の国民への直接のお言葉だった。お言葉を聞いて多くの国民は、自分たちの信頼感が裏切られていないことを感じた。

 政府におかれては、どうかこの信頼感を裏切らないでもらいたいと切に願うばかりである。


(編集委員 大野敏明)




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