FC2ブログ

今日ボクが見た風景

資本主義軽視は「隷属への道」

Category: 政治  
資本主義軽視は「隷属への道」につながりかねない
2011年05月18日

政府が発表した東電の賠償スキームに対して、批判が続出している。

主に批判されているのは、
債務超過が予想される東電を破綻させずに上場を維持して株主を保護する一方、枝野官房長官が発言したように債権者(金融機関)に債権放棄を求めること
破綻していない民間企業(東電)の債権の放棄を促し、民間と民間の間の取引に政府が口を出すこと
東電以外の電力会社にも、奉加帳方式で負担させること
について、資本主義を軽視しているという点だ。

参考:東電融資の債権放棄、しっかり討議してから話すべき=東証社長-ロイター

私も、この点については、以前問題を指摘した。
関連記事:資本主義のルールを無視した電力会社の「奉加帳方式」

また、菅首相の浜岡原発の停止要請についても、法的根拠のない行政指導で民間企業に多額の負担を発生させることになり、国家の権力を法律によって制限する法治国家として問題があるとの批判が出ている。

これらの批判について、なぜ資本主義のルールを守ることや、法といった手続きにこだわるのかという疑問を持つ人がいるかもしれない。また、戦後の日本はずっと修正資本主義(あるいは修正社会主義)でやってきたので、資本主義のルールなどタテマエに過ぎないと思う人もいるかもしれない。

こうした人には、ハイエクの『隷属への道』を読むことをお勧めしたい。


隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

本書では、自由な市場に政府が干渉していくと、経済力が衰え、それだけでなく人間の自由が失われてしまうので、あらかじめ公表されている法ではない裁量によることはできるだけ抑制されなければならないということが主張されている。

また、首相や政府高官による行政指導は、浜岡原発の停止だけでなく、銀行への債権放棄要請に続いた。こうして法によらずに民間企業の経営に関与するようなことが増えてゆけば、戦前と同様に法の秩序は崩壊し、ついには独裁を招くことになりかねない。 

下の動画は、『隷属への道』(動画では、『隷従への道』となっている)の一部をマンガで表現したもの(本書の全体像ではない)。

見る前に、少し解説がいるかもしれない。著者のハイエクはオーストラリア人で、ヒトラーの台頭を見てきた。その後イギリスに移住したのだが、第二次世界大戦の最中から、イギリスではそれまでの自由な経済活動を重視する思想が後退し、20年前のドイツと似てきていることに危機感を抱いたことが、本書の執筆のきっかけになっている。

戦後のイギリスは、ハイエクの懸念が半ば現実となり、「ゆりかごから墓場まで」といわれるように福祉国家の道を歩み、サッチャーが立て直すまで経済は悲惨な状況になっていた。

戦争中は、何十万人、何百万人の人が兵士となり、戦争遂行に必要な飛行機やミサイルや軍服等を生産するため、失業者は減る。しかし戦争が終わってしまうと、兵士は戦場から帰り、ミサイル工場も必要なくなるため、一時的には失業者が増え、社会が混乱する。

こうした中で、計画的に失業者を救えという要請が国民の間から出るようになり、自由に市場にまかせる資本主義から、経済へ国家が関与する方向に進み、それが国家統制経済と全体主義につながっていくプロセスが、以下のマンガで表現されている。





この動画は、高度成長が終わってからの日本、あるいは原発事故後の日本の姿を思い起こしながら見ると、

「多くの人が安定した計画を望む」
「議員は“理想郷”を約束する」
「農民が好むものは、工員の嫌うところである」
「民衆は議員には何も実行できないと感じる」
「指導者に計画とそれを強制的に実行する権限を与える」
「ポスターもラジオも新聞も、同じ嘘を語る」
「あなたの娯楽も計画されている」

等、うーむと思わせるセリフがたくさんある。


あなたの電力使用量は計画されている・・・
関連記事

Comments

« »

08 2020
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
NASA Visible Earth
Web page translation
Flag Counter
free counters
xxx
全記事表示リンク