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今日ボクが見た風景

「明日の神話」への落書き

Category: ブログ  

岡本太郎「明日の神話」への落書き 「いたずらと切り捨てられない」  

2011.5.18


今日ボクが見た風景

東京・渋谷駅構内で展示されている芸術家、岡本太郎(1911~96年)の巨大壁画「明日の神話」に先日、原発事故を思わせる落書きが付け加えられる騒ぎがあった。岡本太郎記念館(東京・南青山)の館長、平野暁臣(あきおみ)さん(52)は「いたずらと切り捨てられない」と語る。決して褒められた話ではないが、核と人類をテーマにした「明日の神話」がいま、その存在感を増していることを感じさせる出来事でもあった。

 「太郎が生きていても、別に怒らなかったと思いますよ。『ふーん』というだけでしょう」。平野さんはそう語る。

 「明日の神話」は縦5・5メートル、横30メートルという巨大な作品。代表作「太陽の塔」と同じころ、1968年から69年にかけてメキシコで制作された。しかし、依頼者が倒産し、作品も行方不明に。30年以上の歳月を経て発見され、修復作業を受けて2006年に再公開された。複数の自治体による誘致運動の結果、08年から渋谷駅の連絡通路で公開されている。

 今回の騒動は、壁画の右下のパネルが空いている部分に、福島第1原発を描いたベニヤ板がはめ込まれたというもの。壊れた4つの原発建屋が、太郎のタッチをまねて描かれている。

「みなさんはいたずらとおっしゃるけれど、スプレーを作品に吹き付けたり傷つけたりしたわけではない。『明日の神話』は後世に残すべき作品だと敬意を払ったやり方をしている。ゲリラ的な瞬間芸として、明らかにアートの文脈で行われた行為です。ただ、作品としては斬新さも感じないし、ほめるつもりもありませんが」

 平野さんは苦笑しつつ、岡本太郎が「行動の対象」になったのは理解しやすい、と語る。

 「やったのはおそらく若い人でしょうが、彼らがいま、日本の置かれた状況や不安感、そういうものをモチーフにして、表現をしたいと思うのは当然。それをぶつける舞台として太郎が選ばれた。未来を考えるときに参照されるアーティストだということでしょう」

 核爆発の場面を描いた「明日の神話」は、圧倒的な破壊と死の恐怖とともに力強い再生のメッセージも伝えてくる。渋谷で作品を見上げていると、作品の奇跡的な再発見が、いまの日本のために用意されたようにも感じられる。(篠原知存)




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