FC2ブログ

今日ボクが見た風景

中国の留学生に、日本の現状を聞いてみた

Category: ブログ  

中国の留学生に、日本の現状を聞いてみた

2011年が始まったが、日本には八百長問題やGDP世界第3位へ転落、小沢氏起訴の事件が長引くなど決して明るいとはいえないニュースが取り巻いてる。今回ここヘンJAPANは、慶応義塾大学大学院の経済学部に在籍する中国人留学生に、日本の現状についてグローバルかつ客観的な視点から話を聞いてみた。

- まず、自己紹介をお願いします。

7年前上海に住んできたとき、上海外国語大学で日本文化経済学部に所属し、日本の文化と経済を学びました。卒業後は上海で1年間、製造業で営業兼プロジェクトマネージャアシスタントとして働きました。そして現在は、日本の慶応大学大学院で経済を学んでいます。

- なぜ日本を専攻したのでしょうか。

17歳のときの選択肢は実は2つあり、一つは上海外語大学へ進学、もう一つは軍事大学でした。しかし、結局は外国語大学を選びました。日本のアニメや漫画が好きだったからです。セイントセイヤやスラムダンクは特に好きでした。オリジナルな日本のセリフで理解したかったからです。

- 嬉しいですね。漫画やアニメなど日本のソフトパワーが、本当に世界に影響を及ぼしている実感が湧きます。よければネットでの情報収集の方法を教えてください。

ウォールストリートジャーナル(英語)、エコノミスト(英語)、あとは中国語のコミュニティサービス(オンラインの掲示板)で、ソーシャルポータルであるTianyaと、影響力のある掲示板フォーラムのmopを主に利用しています。(下記にリンク参照)ユーチューブも欠かせません。田母神俊雄さんの講演もユーチューブで見ました。NHKジャーナルもたまに聞きます。

Tianyaでは個人的に好きな歴史の専門家の記事を見たりとか。最近面白いなと思ったニュースとして、イギリスのキャメロン首相が北京大学で講演を行いました。最後に北京大学の学生から飛び出た質問に、『あなたはイギリスのリーダーとして中国モデルから何を学びますか』というのがあり、うぬぼれのようなこの発言を中国人はめちゃくちゃ笑いました国内で非難もされていましたね。あの質問は、本当にバカバカしかった

あと、Tianyaに関しては5000万人が登録しているということで結構影響力があります。ご存知の通り言論統制はされていますが。私たちは中国のことを“大陸”と呼びますが、大陸ではユーチューブとフェースブックは見られませんGFW(金盾)という検閲システムがあるからです。私たちは、万里の長城を文字ったGFWを動詞として使ったりします。GFWされちゃってるよ~、てな感じで。2007年ごろからサイトが見れなくなりましたかね。

この検閲システムの存在を多くの中国人は知っていますが、知らない人がいるのも事実です。ひどい言い方になるかもしれませんが、政治システムは北朝鮮とよく似ていると思います。ほら、仲がいいじゃないですか。胡錦濤と金正日は。(笑)結局、社会の中枢にあるものは旧ソ連から引き継いだもので、ソ連崩壊後は北朝鮮とよく似ていると思いますよ。来年は民国100年ですが、権威主義の下では何が起こるかわかりません

- 日本と比べて、複雑ですね。英語と中国語のサイトをチェックしていて、日本のニュースや情報は入ってきますか?

あまり入ってきません。大きなニュースはもちろん入ってきますよ。小沢氏起訴とか八百長問題とか。しかしこれらのサイトから日本の情報が入ってこないからといって、決して日本を軽視しているわけではなく、グローバルな視点で、そのグローバルとはもちろん日本も入っているわけで。

ただ、日本はもうすでに発展し安定しきっていて、他の不安定な国や地域よりニュースに出てこないのはある意味自然といえるのではないでしょうか。突然国がひっくり返ったり、国民が暴動を起こしたりはしそうにない。

japan_3d


- なるほど。大きな変化がないから報道されない。それは、ある意味で平和の象徴なのでしょうか。ところで、このたび中国が日本を追い抜き、国内総生産(GDP)世界第2位に浮上しました。そちらについては、率直にどのように受け止められましたか?

一番率直な感想は“あまり意味のないもの”です。国が成功していると判断する上で、GDPはあまりいい基準ではない。それよりも、国連が発表している人間開発指数(ちなみに中国は89位)や、贈賄指数のほうが重要だと思います。あとは、一人当たりのGDPとか。これらであれば、国民の生活がどれほど豊かか計る基準に適しているのではないかと思います。なんの意味もないGDPがニュースで大きく取りざたされているのには、少し疑問を感じます。

私の尊敬している人物で、マディソン(Angus Maddison)というGDP専門の経済学者がいます。マディソンいわく、紀元前221年頃からイギリス産業革命までの約2000年もの間、中国は世界でGDP第1位だったそうです。その例でわかるように、国のGDPとは何の意味もないものです。GDP世界第2位になったからと言って一般の中国人の生活に大きな影響はないし、なにより生活が一番で、世界が公表している統計は遠い存在のように感じます。

- それでは、日本で生活してみて中国との違いで大きな点はなんでしょう。

政府の効率性、犯罪率の低さ、環境が整っていて、社会はとても安全です。世界的にも優れていて、非常にすばらしい点です。政府が提供しているサービスがとてもいい状態で成り立っています。例えば、公務員がちゃんと仕事をしていたり。発展途上の国などは、警察がうまく機能していなかったり、賄賂を受け取っていたり。日本ではよく政府が批判されていますが、それはより高いレベルを求める国民の声であって、他の国と比べるとうまく機能していると思います。

メディアも日本は悲観的なニュースが多い。しかしそれは民主国家の特徴で、そして民主国家のメディアの特徴と言えます。客観的で批判的な報道を、共産主義圏ではできません

- 日本の就職事情、特に新卒一斉採用や、100社受けても1つも受からないなんていう就職活動の厳しい現状を嘆く大学生の声をよく聞きますが、これは日本の特殊な状況なのでしょうか。

いや、むしろ日本はマシだと思います。新卒は労働市場全体でみれば最も価値のない人たちで弱い立場にあるので、大変なのはしょうがないことです。世界中どこでも簡単ではないし、スペインを例に挙げると、失業率は20%にも及びます。

- 日本の経済の今後についてどう考えますか?楽観的ですか、それとも悲観的でしょうか。

近代的なシステムが構築されていれば、政府の役割は小さくて済みます。1868年の明治維新、そして第2次世界大戦の後の日本は、本当に運が良かったと思う。中国の内戦で共産党が勝ったことも、ある意味では日本にとって良かったと思っています。例えば朝鮮戦争で戦争景気に恵まれたり。もちろん共産主義であることで、マイナス面もあるけれど。

そして日本は、共産主義圏に対抗する最前線としてアメリカから何らかの利益を得たのだと思います。日本経済がここまで発展できた理由として、勤勉さが不可欠なファクターだとも感じています。過去60年を振り返ってみて、誇ることができる歴史です。ハングリー精神は、ハングリーでないと持てないですよね。

しかし、先行きについてはそんなに楽観視していません。日本の底力は、最終消費材ではなく(BtoBとBtoCの中間である)中間財なんです。これらの企業は消費者の目に触れることがあまりないので、聞き慣れた大企業ではほとんどありませんが。例えば、日本製鋼所という会社があります。この会社は、原子力発電所が使う部品や部材が世界一優れていると聞きました。これは一つの例で、日本には中間財を製造するたくさんの優れた中小企業があるのです。そこが日本の良さだと思います。このような優良企業があったからこそ、日本人は海外旅行を満喫したり、豊かな生活を享受しているのだと思います。大企業思考が先行し、このようなすばらしい会社が淘汰されるとなれば、決して楽観視はできません。

- 日本の学生や友人と歴史問題などを議論する機会はありますか?

2年間でたった1度だけです。以前に参加した授業の教授は、こういう表現をしていました。『歴史問題の話題は“サムい”話題』だと。(笑)

- 友人だからこそ、遠いと思っていた国も身近に感じ、そして疑問を気軽に尋ねることも可能です。そして意見を交わしてみる、貴重な機会を決して“サムい”とは思えません。本日はありがとうございました。

■関連情報
tianya - 公式サイト(中国語)
mop - 公式サイト(中国語)
economist - 公式サイト(英語)
the Wall Street Journal - 公式サイト(英語)
NHKラジオニュース - 公式サイト
日本製鋼所 - 公式サイト

関連記事

Comments

« »

08 2020
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
NASA Visible Earth
Web page translation
Flag Counter
free counters
xxx
全記事表示リンク