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見透かされた首相の限界

Category: 政治  
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見透かされた首相の限界
2011.5.4

東日本大震災の復興財源に関連し、国会で「復旧・復興と財政再建までやれれば政治家として本望だ」と答弁した菅直人首相をみて、ふと半世紀前の池田勇人元首相(昭和35~39年在職)のある言葉を思い出した。池田元首相といえば、10年間で国民経済の規模を実質価値で倍増する目標の下に政策を総動員する国民所得倍増計画を掲げたことで知られる。今でいう成長戦略のようなものだ。

 池田元首相が、その看板政策につながる月給2倍論を最初に訴えた際、高名な経済学者の都留重人氏らから批判を浴びた。都留氏は月給が2倍にならなければ「挂冠(けいかん)(=官職を辞める)」するよう要求。これに対して池田元首相はこう反論した。「挂冠どころか、一生をかけている政治家をさえ辞めるくらいの決意をもっている」

 池田元首相がここまで大見えを切った背景には、ブレーンのエコノミスト、下村治氏による理論的な裏付けがあった。日本経済は終戦後の混乱期を脱して勃興期に向かうというのが下村理論の基本認識。一方の都留氏ら名だたる経済論客は高度成長自体に懐疑的だった。結局、その後の経済は所得倍増計画以上の高い成長を遂げ、日本は経済大国へと突き進んだ。

そんな経済史の一場面と比べたとき、「政治家の本望」と語る菅首相の言葉からは池田元首相ほどの決意も自信も感じ取れない。東京電力福島第1原子力発電所事故などへの対応で後手に回り、消費をさらに冷え込ませかねない、前のめりの増税シナリオで混迷を深める政権の姿をみれば、場当たり的という印象ばかりが強まる。

 実際、震災で大きな打撃を受けた経済界の見方は厳しい。4月27日付で掲載した本紙の主要企業115社アンケートでは菅政権を評価する回答はわずか2%で、震災対応の遅さを批判する声が続出した。日本経団連の米倉弘昌会長も震災後の不安や混乱の元凶は首相らの「間違った陣頭指揮」にあると語り、その指導力を完全に否定した。経団連トップからここまで酷評される首相も珍しい。

 最近は被災地企業の復旧もある程度は進み、生産再開の動きも出ている。だが、メーカーの部品調達難は相変わらずで、震災前の生産水準とはほど遠い。大切なことは、速やかな震災復旧と、新たな成長につながる、その後の復興をいかに果たすかだ。その展望が開けないようでは萎縮した消費者心理も回復しないが、経済界は首相の限界を確実に見透かしている。(副編集長 長谷川秀行)

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